夏の子、土の子、茗荷の子

夏の子、土の子、茗荷の子

夏の朝は5時にスタートしたい。
目覚めて時計を見ると
あら、もう6時前でした。

「昨夜は遅い時間までの
アルバイトだったしな」
と自分に言い訳して、
最近なんとなくもやもやとする
心の中をぼぅっと観察しつつ。

今日は庭に出て土いじりをするんよ。

なんで今日に拘ってるかというと
夏の土用の間日(まび)
だからなのです。

古人の知恵が私たち現代人にも
役立つ情報をのこしてくれている。

なんてすてきなんだ。

土用の期間は、基礎工事、
井戸掘り、棟上げなど土木関係や
引越やなんか新しいことを
始めない方がいいそうです。

土用というのは「土」に属する季節で
土の神様が土にいらっしゃるからだ
そうです。

そんなことも知らずに
何年も生きて来ました。
はい。知らなくても私たち、
全然生きられるのです。
だから土用って丑の日に鰻食べていたら
いいんじゃないの?
と、間日なんか気にしなくても
いいのです。

学校で習っていないことは
全て知らないことの中に入ります。

そして、間日があることももちろん
知るわけがありません。

で、知ったら試してみたいのですよね。

間日。
土に触れるのを土の神様が
許してくれている日。
おぉ、ありがとう
なんて優しい神様なんだ。


茗荷の草むらをかき分けて
這いつくばって覗くと
いました、いました。
茗荷の子。夏の子たち。
誰にも見つからないように
暗い土の中にひっそりいるんです。

でも白いお花を咲かせたあとで
とても見つけやすいの。

気がついたら、右手と左手に何個も
抜いて握っていました。

しばし欲の塊になったせいか
もやもや気分も少し抜けて
「いいのさ、いいのさ。」
と心の中にふうっと
風が通った気がしました。

間日かぁ。
土からのプレゼントの時間でした。